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一輪の花が繋ぐ、生きがいと人間が見えていない95%の世界

更新日:3月16日

皆さん、ご無沙汰しております。バンクーバー在住のライターAyakaです。


バンクーバーはサマータイムに切り替わり、日がぐっと長くなりました。


春の訪れを感じながら散歩をしていると、日に日に膨らむ木蓮の蕾に気づきます。

ガーデニング好きの多いバンクーバーの閑静な住宅街では、今か今かと出番を待つ花々のささやきが聞こえてくるようです。


椿の花は大胆に散り始め、地面を鮮やかなピンクに染め上げています。

椿の散り際って潔いんですよね
椿の散り際って潔いんですよね

そして、紫や黄色のクロッカスが、あちこちで可憐に開き始めました。

小さくて愛くるしいクロッカス
小さくて愛くるしいクロッカス

花を家に飾る人、贈ることを楽しむ人、あるいは花とは無縁の暮らしを送る人——それぞれに、花との距離感があります。

それでも、特別な理由がない限り、花を見て不快に感じる人はいないのではないでしょうか。


花と私の関係性———ライター兼フローリスト


私の話を少しさせていただくと、私も花が大好きで、フリーランスライターとしてさまざまな記事を書きながら、実はバンクーバーではフローリストとして働いています。


約3年前にバンクーバーに来たとき、花の仕事を選んだ理由はいくつかありました。


単純に美しいもの、花が好きであること。少しだけ学んだことがあったブーケやアレンジメントを作るスキルが、英語がまったく話せなかった当時の私の助けになると思ったこと。

ファッション業界で働いていたので、色のコーディネートが好きであること。

そして、完全な英語環境で現地の人たちと働いてみたかったこと。などなど。


さまざまな想いが重なり、この職業を選びました。





「花」って私の生きがいなの?


約2年前、ふと始めたライターの仕事が少しずつ増え、それに夢中になるにつれて、

「自分にとって本当の生きがいは何なのか」と自問自答することが増えました。

気づけば、花の仕事が自分の生きがいなのか、わからなくなることもたびたびありました。


記事を書くことや取材をすることも、誰かのために花を束ねることと本質は同じ。

目の前にある現実の美しさを形にして、共有することで、人の心を明るくしたり、そっと背中を押したりする——。

だから私は、どちらも好きなのだと、自分に言い聞かせていました。


それでも、お花の仕事をしていると、なぜか心に小さな違和感が残る。理由のわからないもやもやが、胸の奥にいつも引っかかっていました。


それでも、花とは離れられない。距離を置くと、また戻りたくなる。

好きなはずなのに、生きがいかどうかはわからない——。


答えが明確になったきっかけは、ある一冊の本


そのきっかけとなったのは、ある一冊の本でした。

最近、素敵な女性に紹介されたその本の中に、ずっと探していたものが詰まっていました。


数日前に読み終えたその本を通して、自分がなぜ花と関わる人生を選んできたのか、その理由が鮮明に浮かび上がったのです。


須王フローラさんの著書『花を飾ると、神舞い降りる』が、私にその答えを導いてくれました。


「人間は、たった5%の世界しか見えていない」ことを知る


皆さんは、神社に足を踏み入れた瞬間、空気が澄み渡るように感じたことはありませんか?

あるいは、ふと頭に浮かんだ人から突然連絡が来たり、

初めて会ったはずの相手に、まるで昔から知っていたような安心感を覚えたり。


そんな感覚を抱いたことはないでしょうか?実はそれが95%のエネルギーの世界。


人間は視覚に頼りすぎるあまり、目に映るわずか5%の情報だけを世界のすべてだと捉えてしまいがちです。しかし、五感を研ぎ澄ませば、その先に広がる95%の世界を感じ取ることができるのです。


五感を研ぎ澄ますなんて、なんだか難しそう!と思われた方は、

まずは95%の世界があるということを知ること。これが大きな第一歩です。もう今この記事を読んであなたは知ることができましたね。


私たちの知らない95%の世界と花


では、私たちが普段意識していない95%の世界は、花とどのように関係しているのでしょうか。

それこそが、「花と関わるは自分の生きがいのひとつだ!」と確信した理由です。


花は、目に見える5%の世界と、私たちが意識していない95%の世界との境界線に立っています。それらの世界を、静かに、そして優しく繋ぐ存在なのです。


花を飾ると、空気が澄み渡ったように感じることがあります。それは、花が私たちを目に見えない95%の世界へとそっと繋いでくれるからです。


何故、花はその境界線にいるのか?植物は生命の創造主だから。



約46億年前、地球は誕生しました。隕石の衝突により、水蒸気が発生し、だんだん地表の温度が下がり始めると、今度は何万年もやまない雨が降り続きました。
そうして地球に海と大地ができたあと、地球上に初めて生命が誕生します。それが「植物」でした。はじめ、植物は海中に生まれました。
次第に光合成をするために地表に進出し、大気中の酸素が増え、生命が誕生する環境が作られていきます。最初の植物の誕生から数十億年後に「花」が誕生します。
種子は風や水に運ばれて、一気に地球全体に広がっていきます。花の誕生が、生命の進化を後押ししました。植物は生命の創造主でした。
現在も、地球上に息する生命のうち95%以上は植物です。人間や動物、菌類を含めても5%にしかなりません。人は、植物とともにしか生きられないのです。須王フローラさん著書「花とお金」より


フローリストとして花が生きがいなのか、正直わからなくなっていた私。デザインや色合わせ、予算、期限などに集中しすぎて、花本来の美しさや、その存在が持つ意味を見失っていたことに気づきました。

「私たち生命の始まりであるのが『花』だ」という視点を、すっかり忘れてしまっていたのです。


職場で花に囲まれすぎて、感覚が麻痺してしまったのか、自分の家に花を飾ることすら忘れていました。しかし、この本を読んだ後、職場で見かけた古いガーベラ三輪を持ち帰り、早速家に飾ってみました。

その瞬間、ガーベラたちが私に語りかけてくれた気がしました。


フローリストとしての仕事が生きがいなのか問われると、はっきりとはまだわかりません。

しかし、何かしらの形で花と関わり、その魅力を人々に伝え、その人たちの暮らしを少しでも明るくすることが私の生きがいだと気づかせてくれました。


職場から持ち帰ったガーベラたち。横の卵の殻はパートナーがアート制作に使う予定で集めているものなので、お気になさらず。笑
職場から持ち帰ったガーベラたち。横の卵の殻はパートナーがアート制作に使う予定で集めているものなので、お気になさらず。笑

花を飾ると「生きがい」が見えてくる。


ふとした感情に従いながら毎日を丁寧に生きていたら、おのずと見えてくるものーーそれが「生きがい」だと私は思います。


ただふとした感情に気づかない、もしくは言い訳をして気づかなかったふりをしているのが人間なんです。

それに敏感になるには、まず過去でも未来でもなく、「今」を生きること。この瞬間を観察することが重要だと、著者須王フローラさんも述べています。


「ふと」は漢字にすると「仏図」です。これは神からのメッセージということ。
ほんとうは「ふと」に従っていくだけで、人生はパーフェクトなのです。須王フローラさん著書「花を飾ると、神舞い降りる」より

花を飾って、香ばしい香りを漂わせたコーヒーを飲みながら、今この瞬間を堪能してみませんか?

ふと手を止めて、「仏図」に向き合うように。


一輪だけでもいい、道で見つけた野花でもいいのです。花瓶がなければ、マグカップでも、ビールジョッキでも、ラムネの空き瓶でも、ワインの空いたボトルでも。


飾る場所も、キッチンでも、リビングでも、寝室でも、お手洗いでも。どこでもかまいません。

小さな花が、ふとした瞬間に目に入るだけで、心が静かに整います。まるで、仏画を前にしたときのように、自分の内側と向き合う時間。


ほんのひととき、花と一輪の花が繋ぐ、生きがいと人間が見えていない95%の世界ともにあることで、心の中にもささやかな調和が生まれます。


さあ、花を探しに出かけてみましょう!日常の片隅に、小さな生きがいを迎えに。








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