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『お金のいらない国』の人々は “生きがいの達人”だった

執筆者の写真: ふなと愛ふなと愛

「お金よりも大切なものがある」。

言葉ではそう言っても

わたし達の心と生活は、どれほど「お金」に囚われていることでしょう。

通帳の残高に一喜一憂したり、

稼いでいるお金の額で人や自分の価値を判断したり。


「だって、お金さえあれば、安心・安全・幸せでしょ」…。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?

「お金さえあれば、大丈夫」。

そんな思い込みは、

わたし達の生き方や価値を縛りつけてしまっているかもしれません。


「お金があれば、幸せ」。それ、本当に?



「お金なんていらない」と言いたいわけではありません。

現代社会で生きるために、お金は確かに必要です。

家賃、食費、医療費、教育費…。

わたし達のライフラインの中心に据えられているのは、やはりお金。


けれども、お金に依存しすぎるあまり、

個人の心の病から、貧困、戦争、気候変動など地球規模の問題まで、

様々な苦しみを生み出しているのもまた、現実。

「お金があれば、幸せ」なはずのこの社会には

「お金があるから、生まれた不幸」に満ちている…。

そんな“大いなる矛盾”に、

もう30年以上前から問いかけ続けてくれているのが、

長島龍人さん著書『お金のいらない国』シリーズです。


『お金のいらない国』の人々は、“生きがいの達人”だった。



ひょんなことから「お金のいらない国」に迷い込んでしまった主人公が

目の前に現れたとある紳士に導かれて

この国で暮らす人々の暮らしや生き方を目の当たりにしていく…。

SFファンタジーのような軽快なトーンで

誰でも楽しみながら読める作品ですが

コミュニティ通過や、エコビレッジ、共感資本社会など、

「新しい生き方」を模索する人々のバイブル的な物語でもあります。

タイトルだけ聞くと

「お金がいらないなんて、そんなのありえない!」

と反射的に思ってしまいそうになりますが、

実際にこの本を手に取り、『お金がいらない国』を旅してみると

「今わたし達が住んでいる『お金がいる国』の方が、

 よっぽどおかしいのかもしれない。」

と、考えさせられてしまいます。

なぜなら

『お金のいらない国』の住人達は、みんな穏やかで幸せそうだから。

誰もが、自分の仕事を誇りに思い、相手の仕事に感謝している。


誰もが、目の前の人を敬い、

“家族”(わたし達が考える家族とはまた違うのですが…)を愛している。

彼らはまさに、生きがい(IKIGAI)を生きているのです。


お金と引き換えに、見失っているわたし達




少しエピソードを引用してみましょう。

お金のいらない国に迷い込んだ主人公は、

カフェやスーパーで好きなものを手に入れても

「お金がいらない」ことに困惑します。

さらには、出逢ったばかりの“紳士”に立派な家まで与えられた彼は、

恐る恐るこう尋ねます。


「あのう…ここにはお金というものはないんでしょうか」
紳士は不思議そうに聞き返した。
「おかね…ですか。(中略)少なくともわたしは、お金というものは知りませんし、聞いたこともありません。それは一体、どんなものなのですか?」

長島龍人さん『お金のいらない国1』より



主人公はズボンのポケットから財布を取り出し、紙幣と硬貨を紳士に見せます。

紳士は興味深そうに手に取り、しばらく眺めてから言います。

「この汚れた紙切れと金属の破片が、一体どういう役に立つんですか?」

主人公は返答に困りながらも、必死で説明します。

自分の国では、仕事をするとお金がもらえること。

物には全て値段がついていて、それを手に入れるにはお金が必要なこと。

何をするにもお金が必要で、お金がなければ生きていけないこと…。

二人の会話はこう続きます。

「ということは、要するにあなたの国では、お金というものがないと、人々が欲望をコントロールできないというわけですか」
私は言葉に詰まった。確かにそうかもしれない。でも私は反論した。
​「まあ、そうかもしれませんが。でも、お金を払わなくても何でも手に入るなら、もう、仕事をしなくてもいいじゃないですか、毎日遊んで暮らせば…」
​「みんなが遊んでばかりいたら、何も手に入らなくなってしまいますよ。ものを作る人も、与える人もいなくなるわけですから」
​「でも、そういう人もいるんじゃないですか? 働かなくても生活できるなら、自分一人くらい遊んでいてもいいだろうと思う人が…」
​紳士は笑って言った。
​「ここには、そういう人はおりませんよ。…わたしが思うには、あなたは、そのお金というものと、働くということを堅く結びつけて考えすぎている気がします」​(中略)
「仕事は社会への奉仕ですから、世のため、人のため、ひいては自分のために、みんなで働かなければ世の中は回っていきません。あなたの言うお金がもらえなくてもです。そして、あなたが生活に必要なものは、お金など払わなくても社会から奉仕して貰えばいいんですよ」

​長島龍人さん『お金のいらない国1』より


主人公はさらに反論します。

「お金は貯めておくことができる。

 貯金すれば、後で必要になった時にいつでも使えるし、

 たくさん貯めるとぜいたくもできる。」

すると、紳士に「ぜいたくって、なんですか?」と問われ、

戸惑いながらも主人公は答えます。

「ぜいたくというのは、欲しいものはなんでも買ったり、美味しいものをたくさん食べたり…」

紳士は言います。


「ここでは、欲しいと思ったものは、なんでも手に入れることができますよ。(中略)そんな、自分が必要ないほどのものを手に入れて何が面白いんですか。それに、そんな取り止めもない欲望を追っていたって、きりがないでしょう。」
(中略)​「でも、貯金しておくと、年取って働けなくなっても安心でしょう?」
​「わたし達は、働けない体の人には、みんな喜んでなんでも差し上げますよ。…あなたの国では、そういう人でもお金というものを持っていなければ、何も手に入れられないのですか?」

長島龍人さん『お金のいらない国1』より






「お金」という価値基準を、「生きがい(KIGAI)」にシフトしてみると



紳士はさらに続けます。

「あなたの国では、そのお金というものを動かさなければならないために、ものすごい時間と労力のロスをしている気がします。言い換えれば、不必要な物のために、無駄な仕事を増やしているということです
​(中略)ちょっと想像してみてください。そういう仕事に欠けていた時間や労力を、もっと社会の役に立つ仕事に向ければ、もっともっと暮らしやすくなるはずですよ」

長島龍人さん『お金のいらない国1』より




お金のいらない国の紳士が言うように、

わたし達は、あまりにもたくさんのことを

「お金」とくっつけすぎてしまっている。

「お金があれば、安心、安全、幸せ」。

社会システムから、個人のココロまで

わたし達は、幸せに生きていくための命綱を、

いつの間にか、「お金」に頼り切っている。



「稼がなきゃいけない」

=「稼いでない自分には価値がない」


「一人でなんとかしないといけない」

=「人に助けてなんて言えない」​


「貯めて、増やしておかないといけない」

=「なくなったら不幸になってしまう」



​そんな寂しい世界から

少しだけ「お金のいらない国」にシフトしたら?

「お金」の代わりに

「命との繋がり」をライフラインにしたら?



「稼がなきゃいけない」

⇨「今自分ができる最も価値のあることをやろう」


「一人でなんとかしないといけない」

⇨「困ったときは、誰かに助けてって言おう」​


「貯めて、増やしておかないといけない」

⇨「必要なものは必要な分だけ巡ってくる」


「お金を稼ぐ」ことに使ってたエネルギーを

自分自身の生きがい(IKIGAI)に注いでいけば

自分と繋がり、人と繋がり、自然と、宇宙そのものと繋がって


わたし達の命は、森羅万象の一部として

誰一人、何一つ、取り残さずに、循環していける。







わたし達が 本当に求めてるのは

とても とても シンプルな幸せ。

自分と、人と、自然と、

大いなるもの、宇宙… 「命との繋がり」を土壌に

愛する人と過ごす時間

アート 音楽 ダンスなど創造・表現する悦び 

美しいもの、美味しいものを愛でること…

誰もが、日々の中で生きがい(IKIGAI)を感じられたら。

​お金の代わりに「生きがい」を価値基準の真ん中に据えたら。


どんな世界が、見えてくるでしょうか?





「今すぐ、この世界をお金のいらない国に!」

と言いたいわけではありません。

ただ、

「わたしの本当の生きがいは、何だろう?」

その問いかけが、「お金を超える生き方」に繋がっていくはず。


まずは、『お金のいらない国』という物語を通して、

あなたが「あなたの一番の幸せを生きる世界」について、考えてみませんか?

生きがい(IKIGAI)は、その旅路を照らす灯火になるはずです。




今月のIKIGAI Interview のゲストは、

『お金のいらない国』著者の長島龍人さんをお迎えしました。


思わず引き込まれる『お金のいらない国』オンライン落語と

龍人さんのIKIGAI、人生の転換期など聞き応え満載のインタビューとなりました!


アーカイブでぜひ、ご覧くださいね。





 




愛を込めて。








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